11/6(土)にマツダ3スカイアクティブXを代車でお借りできました。
昨今、車というものにまったく興味が無くなってしまい、ディーラーでの試乗すら随分としていません。車検代車も「走ればなんでもいいですよ」とお話してあったのですが、「フレアクロスオーバーからマツダ3スカイアクティブXまでお貸しできますよ」という打診をいただき、であればちょっとだけ興味があった「スカイアクティブX」エンジン搭載車であるマツダ3でお願いすることに。今思うとCX-30とかでも良かったかなと思いつつも2日間ほどお借りしてみました。
この車、非常にお高いんですよね。車両本体価格は340万円くらい。こんなお高い車、代車にお借りして大丈夫かと後々後悔もしたのですが、頼んでしまったものはしかたがない。
で、代車といえば車検予約時に希望した車種ってだいたいにおいて当日になくて別車種になるのがいつものことなのですが、今回は当初予約通りの車種グレードに。
思うにきっと無鉛ハイオク仕様のスカイアクティブXなんて借りる人いないのかも。
しかもふつうのハッチバックだし。CX-30とかのSUVを希望する人が多そうな気がします。またはマツダ2などのコンパクトカー。
エンジン
世界初の革新的な燃焼制御技術「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」を採用した、マツダの新世代ガソリンエンジン。諸元はこんな感じ。
最高出力 | 140kW〈190PS〉/6,000rpm |
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最大トルク | 240N・m〈24.5kgf・m〉/4,500rpm |
WLTCモード燃費 | 2WD(6EC-AT) 17.4km/L、4WD(6EC-AT) 16.7km/L |
エンジンを見てみようとエンジンフードを開けてみると・・・何にも見えませんでした(汗)。
スタイリング・乗降性・装備などなど
この車の良さは遠方から見た時のデザインの良さ。特に斜め後方からのデザインはすばらしいの一言。
フロントマスクは今一つですが・・・。
さてまず乗車するとき、ピラーに頭をぶつけます。2回やりました。私のようなドラポジではシートがかなり前方なのでぶつけやすいのかと。
シートは電動パワーシートです。これもACC(ONだったか?)にしないと動作しないので初めてお借りしてシート位置合わせをするには不便。手動式に限ります。
バックしようとしたらリアウインドウが小さすぎて目視不可能。Cピラーも太いし。
もう各ミラーとバックモニター、そしてセンサー頼りです。そしてなんとフロントカメラもあるという。
フロントを映しながらセンサーがピーピー鳴ります。至れり尽くせりの安全装備。
走り出して・・・スピードメーターは液晶画面なんですね。スピードメーターの表示が3種類に切り替えられます。他は通常の指針式。7インチマルチスピードメーター(TFTカラー)とのこと。
マツダコネクト付き。ディスプレイは8.8インチセンターディスプレイ。横長です。
内装の質感は可もなく不可もなく。ダッシュボードのパッドなんかは長年乗るときっと紫外線による経年劣化で割れてくるのではないかと思われるような材質のソフトパッドでした。
走り出した感じは
6ATはさすがはトルコンの多段AT。極めて好ましく変速もスムース。
でもエンジン音は聴かせる音ではなくて・・・回すとちょっとガサツ。
NDロードスターのような良い音はしません。
加速は極めてスムース。190PSとは思えないほどに穏やか。「ほんとに190PSもあるのかな?」
というくらい洗練されています。でも踏み込むとトルクがあるだけに不満なく加速はします。 最大トルクも 24.5kgf・m もありますからね。ですが、よくよく諸元表をみたら車両重量が1460Kgもあるんです。となると、いくら190PSあってもぐわっと加速はしないことに妙に納得。刺激的な加速感からは程遠いかも。あくまでもジェントル。それゆえの馬力が190PSなのかもしれません。
目線は意外に低めな感じ。ロードスターなどからの乗り換えでもあまり違和感がないかと思います。
6ATにはスポーツモードがありましたが、これがなんか違和感ありありでダメダメ。昔のトヨタETC-Sのように引っ張り気味でシフトするのかと思ったら・・・延々と引っ張っているような感じ。「そろそろ変速してほしいんだけど・・・」と思っていても変速しません。というわけで使いにくいのでノーマルモードしか使わなくなってしまいました。
ハンドリングはまぁこんなものでしょう。及第点。
さて足回り・・・・タイヤが18インチ45を履いているのですが、個人的には明らかにオーバースペック。バタついたりはしないのですが(一応履きこなしてはいる感じ)、しなやかさという観点から考えると今一つ。この車は16インチ仕様もあるそうなので、そちらの方が好ましいのかと思います。
18インチアルミホイール 215/45R18
G-ベクタリング コントロール プラス(GVC Plus)とやらがついているそうですが、ぜんぜんわかりませんでした。
ペダル配置は非常に自然で好ましかったです。やはりオルガン式アクセルペダルは良いですね。そしてブレーキペダルも最近論議を醸し出している踵をつけてのブレーキ操作が非常にしやすいです。踵をつけてのアクセルペダルとブレーキペダルの行き来がしやすい。今どきのペダル配置ですね。「マツダが考えるドライビングポジション」というやつかと思います。
今回、高速道路での試乗はできませんでしたので高速域での直進安定性などは確認できませんでした。郊外の幹線道路での感想は普通です。
「試乗はできませんでしたので」というのは・・・実は時間はあったのですが乗る気がなくなってしまいやめてしまったというのが正直なところ。
ボーズサウンドシステム(AUDIOPILOT2+Centerpoint2)
さてこのグレードには純正BOSEオーディオシステムが標準装備されていました。興味があったのはこちらです。
カタログを見るに随分と気合をいれて開発したようなことが書かれていましたので。
ボーズサウンドシステム(AUDIOPILOT2+Centerpoint2)+12スピーカー
「ボーズ社との共同開発によって、音の立体感や明瞭度をより際立たせた質感高いサウンドを実現。ステレオ音源でも立体的な音像で再現するボーズ独自のサラウンドシステムCenterpoint2機能や、走行ノイズ補償システムAUDIOPILOT2も搭載しています。」との説明書き。
最初に音を出してみたら非常識なほどの低音。「はぁ??」と思ってトーンコントロール設定を確認したらBASSが随分と上げられているではありませんか。「誰だよ、こんな非常識な設定にしたのは。」というわけでまずは設定をすべてフラットに調整。
USB端子には音源としてFLACファイルが納めてあるポータブルSSDを接続してみました。問題なく認識しFLACも再生できました。FLAC対応というのは良いですね。リスニングポジションは運転席にします。
まず一発目の印象・・・「純正にしちゃなかなかいいんじゃないの?」という感じ。全域に渡って普通の音が出ています。ただし、音のきめ細やかさや透明感はちょっと足りません。とにかく普通。これなら許容範囲内かと。きっとスピーカーユニットにコストがかけられないのでしょうね。それでもまあまあ頑張っています。ただし、年数を経てくるとどうなるかはわかりませんが・・・スピーカーユニットの経年劣化というやつですね。おそらく交換は効かないでしょう。インピーダンス1Ωだか2Ωだかのユニットかと思いますので。
純正BOSEといえばNBロードスターの純正BOSEがひどすぎましたからね。とくにスピーカーユニット。それを考えたら雲泥の差。上等です。
総評
デザインは素晴らしいの一言ですが、車体サイズがやっぱりでかい。全長はそうでもないのですが幅ですね。昔からほとんど変わらない日本の住宅街の道路にこのサイズは結構気を使います。
ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック。66000円(税込み)の特別塗装色です。これがまた拭き傷の目立つこと。ボディコーティングをして細心の注意を払わないと良い状態は維持できないかと。しかもこの色、補修も大変なのだそうですね。非常に手間とお金がかかる塗装です。それに経験談からのお話ですが、赤メタの車は夏は暑いのではなかろうかと。
Cセグメントのハッチバックとしては国際的にもこのサイズですので、サイズ感は仕方がないのかもしれません。まぁマツダの世界戦略車ですしね。ゴルフなどのライバルですし。ボディサイズはあきらめるにしても問題は価格です。このグレード、確か340万円くらいするんですよね。正直なところ、ちょっと高すぎます。コストパフォーマンスはよろしくありません。高くても298万円ってところでしょう。この車を選ぶのであれば1500CCの15Sの6MTが一番満足感が高くコストパフォーマンスが高いかと思います。なんといってもスカイアクティブX「X Lパッケージ」約340万円に対して226万円でしたから。と、年次改良後のカタログを見てみたら・・・15Sの6MTがカタログ落ちしているではありませんか。であれば15Sツーリングの231万円がベストとなります。また2000CCの20Sプロアクティブ(251万円)でもよいかもしれません。ベストバイとして出せる金額はここまででしょう。
2日間での平均燃費は約70Kmほど走って15.2Km/Lでした。排気量を考えると良好。ですが、やはり車両価格が高すぎ。いくら燃費が良くてもコストパフォーマンス悪しです。個人的には惹かれるものは何もありませんでした。
人馬一体
新世代商品群のマツダ車にいえることですが、ロードスターで有名な「人馬一体」を打ち出しています。かつて、ロータリーのマツダだったのが突如として2014年秋あたりから「ロードスターはマツダの魂です」なんてしれっと言い出したのは気に入りませんでしたが・・・。それはさておき・・・マツダ2(旧名デミオ)やマツダ3なんかに乗ってみると「人馬一体」には程遠いような気がします。私的にはなんかしっくりこないというか疲れるというか。私の体質に合わないのかもしれないというのも要因かも。ところがNDロードスターは過去3,4回乗りましたがそんなことはありませんでした。ロードスター以外の車種の車作りはロードスターを超えられないのが実情なんでしょうね。ロードスターは別にしても、かつてのDEデミオなんかはものすごく楽しい車でした。代車でお借りしたとたんに「走れ走れ病」が発症し、走りたくなってしまいどんどん走ったほどの車でしたから(笑)。マツダ3の前身であるアクセラもよかったかもしれません。
NBロードスターに乗り換えて
翌11/7(日)、北関東マツダ西川田店に17:00の約束で引き取りに。なんやかんやと手続きが終わり運転席に収まります。走り始めて「やっぱりこれだよ!!」と思わず声を発してしまいました。このサイズ感、そして手足のように操れる。ビシッと決まるドライビングポジション。ハンドリングからシフトフィールからすべてが楽しい、いや、素晴らしい。先のマツダ3とは発売から20年以上も開きがあるのに現代車には無い良さと楽しさが備わっている。ロードスターという車はやはり傑作車なんだなぁとしみじみと感じた日でございました。そして過去、NDロードスターからNBロードスターに乗り換えた時もやはり同じことを口走ってしまったことを思い出しました。現代車よりも過去車の方がよりドライバーの感性に訴えかけてくるものがある。不思議なものですが、私の世代ではこれが現実なのかもしれません。
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