三菱i(アイ)雑感

はじめに

さて通勤に使って約500kmほど走ったレビューです。
個体は 2011年式、走行105000キロ超え、グレードはノンターボのビバーチェ。
発売当初、アイはターボ車のみでお値段も高めの設定でした(個人的にはそうは思わなかったですが・・・)。で、思うように販売台数が伸びずノンターボ車を追加。グレードはL/LXでした。そしてマイナーチェンジ(改良)でお買い得(?)なビバーチェを追加。

この個体はWikiペディアによると・・・2010年8月5日マイナーチェンジ。メーター部分に低燃費運転をサポートするECOランプを追加。充実グレードの「Vivace」をベースにSSD方式のMMES(三菱マルチエンターティメントシステム)とリアドアスピーカーを標準装備した新グレード「Vivace+navi」を新設。これにより、「Vivace」に設定されていたMMESのメーカーオプション設定を廃止した。さらに、5年目以降の車検入庫時に保証延長点検(24ヶ月定期点検相当)を受けることを条件に適用される「最長10年10万km特別保証延長」の対象車種となった。

私的には発売直後にGターボに試乗しており出来も素晴らしく、カーグラフィック長期テストでもなかなか良いことが書いてありましたので、後に追加されたノンターボ車は眼中にありませんでした。タント購入時にもアイのターボ車を検討していましたが、経済性(ターボ車はオイル交換サイクルが短くランニングコストがかかる、タイヤサイズが特殊なので高い)などで、中古車価格は底値でしたが候補から外しました。そんなときでもノンターボ車は候補にすら上がらず。そんなノンターボ車を代車という形でお借りできましたのでどんなものかと興味津々でした。車を貸して下さった車屋さんも「iなら喜んでもらえるかな?と思って」とお気遣いいただいての車種でした。

良い点

  • 自然なペダル配置・・・体をまっすぐにした自然な位置にペダルがレイアウトされています。フロントにエンジンがない、ホイールハウスの張り出しも最小限故の長所。
  • スムースなトルコン式4AT・・・変速ショックも少なくウルトラスムーズ。これに乗ってしまうとやっぱりCVTってどうよ・・となります。
  • 後輪駆動であること・・・RR故、後輪駆動です。当然、後ろから蹴りだすような出足。実に自然で良い。
  • 後輪駆動故のハンドリングの自然さ・・・操舵輪は操舵専用ですからノーズが軽くて自然なハンドリングです。あのFF特有のなんというか、あの癖がありません。
  • 固めの足回り・・・非常にしっかりしています。ショックアブソーバーがへたる前でしたらスポーツカーみたいだったのでしょう。
  • よく回る元気なエンジン・・・明らかにダイハツKF-VEよりも静かに綺麗に回るエンジン。
  • 標準装備のオートライトの出来が優秀・・・感度が適正。

悪い点

  • お買い得グレード故、チルトステアリングがない・・・ドラポジを合わせるのが今一つ。チルトステアリングは無いのにシートリフターはついているという矛盾。仕方がないのでシートリフターを上げて辻褄を合わせると、今度は乗降時にAピラーが頭にぶつかるという始末。
  • シートサイズが小さい、出来映えも今一つ・・・遠距離通勤をしているとシートも気になります。なんか今一つ。しかもシートの出来も悪い。腰が痛くなります。HA36VアルトバンVPの方がはるかに上質なシートでした。
  • Aピラーの傾斜が強いため、頭上手前までウインドシールドが迫ることによる圧迫感・・・こんな状態なのでサンバイザーがおろしにくい。
  • 室内の狭さ・・・とにかく狭い。アルトよりも遥かに狭い。スタイリング優先故。
  • 動力性能はターボ車に劣る・・・車重を考えたら当然ですが、山坂道は苦しいです。タントよりは遥かにマシですが・・・絶対的にアンダーパワー。
  • とにかく室内が狭い・・・これは仕方がないこととはいえ・・・。
  • ノーズが軽い反面、高速域になっても落ち着かないハンドリング。直進安定性は今一つ。

総評

このご時世、軽自動車の販売はスーパーハイトワゴン全盛です。次にハイトワゴン。
この手のスペースユーティリティは抜群です。実用性は言うことありません。
私もタントを入手することにより、今まで「走り」優先の車趣味だったものが、より多様な方向性を楽しめるようになりました。車の中で昼寝をしたり、車中泊をしたり、大量の荷物を運んだりetc。
そんな使い勝手の良さになれてしまうと、俗に言うところの屋根の低い「セダン型」(ハッチバックをセダンと呼ぶのもおかしいとは思うのですが・・・)には戻れなくなります。
とにかく広大な室内に慣れてしまうと狭い室内は不便で仕方がありません。ダイハツタントというスーパーハイトワゴンの中古車、実は我が家で一番活躍している車となりました。元々は予算ありきの消去法(車種、ボディカラー、ボディ形式指定無し)で購入したにもかかわらず・・・。
当時の中古車探しの条件は、


・ATであること
・タイヤはランニングコストの安い155/65R14サイズであること
・ノンターボ車であること
・ハイトワゴン、もしくはスーパーハイトワゴンであること


でした。そんな中でたまたま良い色(コットンアイボリー)で予算内(厳密には5万円オーバー)、そしてスーパーハイトワゴンであるということで購入。最初は「なんて走りのつまらない車だろう」と思ったものですが、今や低い動力性能を差し引いても有り余る魅力があります。
そう考えると・・・「セダン型には戻れない。セダン型は売れない。」というのを痛感します。

三菱アイ、ダイハツソニカ、スバルR-2(R-1)など・・・この手の個性的でメーカーが力を入れて開発したハッチバック車が売れない理由がわかったような気がしました。この3車はユーザーファーストというよりも技術屋集団の独りよがりで開発したような車種。使い勝手は非常に悪い。そりゃ、まずはワゴンRなどのハイトワゴンに慣れたお客様には魅力が見いだせません。そしてセダン型の魅力ある車種はたくさん存在しましたが、すべて消滅。廉価で実用的だった三菱ミニカバン、ダイハツミラバン、スズキアルトバンも消滅。世の中のほとんどがスーパーハイトワゴン・・・そうなる理由がよくわかります。

三菱アイ・・・いい車なんですけどね・・・自分的にはもうお腹いっぱいになってしまいました。11日間ほどお借りしていましたが、もううんざりでした(汗)。

最後に燃費・・・返却するときに給油したのですが、15.7km/lでした。郊外への通勤でこれですから市街地ですと相当悪くなりそうですね。

コメント